記事: 使いやすいマザーズバッグ その1|開発のきっかけ編
使いやすいマザーズバッグ その1|開発のきっかけ編
バッグ研究家の林です。
子どもとのお出かけで困るのは、荷物の多さだけではありません。
ベビーカーを押しているときに「お菓子がほしい」と言われる。抱っこをしたまま、手口拭きを出したい。そんなとき、必要なものがバッグの奥や底にあると、ほんの数秒でも長く感じます。
今回から、私たちが新しいマザーズバッグを作る過程を連載でお伝えします。
第1回は、なぜ今、もう一度マザーズバッグを作るのか。その出発点の話です。
子ども3人との外出は、荷物を探すことの連続でした
最初にマザーズバッグを作ろうと思ったきっかけは、私自身の子育てでした。
子ども3人を育てるなかで、おむつや着替え、飲み物、お菓子など、外出時の荷物はなかなか一つにまとまりません。バッグに入れたはずのものが見つからず、必要なときに取り出せないこともよくありました。
ただたくさん入るだけでは足りない。使いたいものに、すぐ手が届くことが必要でした。そこから、最初のマザーズバッグづくりが始まりました。
時間がたつと、持ち物もお出かけの仕方も変わります
最初のバッグを作ってから時間がたち、子どもとの外出の仕方も、持ち歩くものも変わってきました。コロナ禍を経て、お出かけの機会が増えたことも一つです。
その間に、KABAGの既存のリュックをマザーズバッグとして使っている、という声も届くようになりました。
けれど、これまでの説明は「マザーズバッグとしても使えます」というもの。子どもとのお出かけで起こることを最初から見つめて設計したものではありませんでした。
ならば今の使い方をもう一度聞いて、子育て中の目線から作り直そう。そう考えました。

「きれいに収まる」と「すぐ取り出せる」は違いました
声を募集して、いちばん大きな気づきになったのが、この違いです。
バッグの中がきれいに整理されていても、必要な瞬間に取り出せるとは限りません。
抱っこでバッグを前に持つと、ショルダーベルトが開口部にかかる。水筒を入れると中が圧迫され、思っていたよりほかの荷物が入らない。手口拭きやティッシュはすぐ出したいし、使い終わったものを入れる場所にも迷いたくない。
どれも、バッグを棚に置いて眺めているだけでは分からないことでした。子どもと一緒に動いて、初めて見えてくる困りごとです。
ポケットを増やすだけでは、答えにならない
前回のバッグでは、ポケットを増やして荷物を細かく仕分けました。それも一つの方法ですが、今回は少し違う考え方を試しています。
細かく分けすぎず、大きく区切る。よく使うものは、立てて挿す。バッグの中をじっと見なくても、手を入れた感覚で取り出しやすい形を探しています。
手提げ型では、ベビーカーで使いやすいという声も形にしようとしています。ただし、ベビーカーへの取り付けには別のクリップが必要です。また、ハンドルに重い荷物を掛けると転倒につながるおそれがあるため、取り出すものだけを手元に置き、重い荷物は座面下のカゴへ入れる使い方を前提に、実際の装着と動作を確かめています。
まだ、作って終わりではありません。抱っこ中に本当に取り出せるか。ベビーカーに付けたときに使いやすいか。試作と撮影を通して、一つずつ確認しているところです。
子どもとの時間から、小さなストレスを減らしたい
目指しているのは、子どもとの外出からすべての困りごとをなくすことではありません。
「お菓子がほしい」と言われたとき、バッグの底を探す時間を少し短くする。子どもが自分でティッシュを出し、手を拭いて戻せる。そんな小さな変化を、バッグの構造で支えたいと考えています。
このバッグは、使う人の声を聞きながら作っています。すでにモニターのみなさんにも試していただき、使い方や気づきを聞かせてもらいました。その様子は、あらためてこの連載でお話しします。
次回は、試作でどこまで形になったのか、モデル・モニターのみなさんとの撮影で見えたことをお伝えします。








