KABAG box mini の制作の裏側
10月19日より、Makuake にてクラウドファンディングをスタートすることになった、
KABAG box mini (カバッグボックスミニ)
今回はその制作の裏側を紹介させていただきます。
始まりは一人の女性のメッセージからでした。KABAGboxクラウドファンディング中に購入いただいた方から、
カバンに関しては、今まで理想の物に出会えることが無く、KABAG boxを初めて見た時の衝撃は今でも忘れることができませんし、カバンを熱心に研究されている方が作ったものだということがひしひしと伝わってきましたので、「この方なら私の『困った』を何とかしてくれるかもしれない」と、思いのたけを伝えて見ようと思いました。もちろん全てが叶うとは思ってませんが、どれか一つでも問題の解消につながれば幸いです。
商品のデザインの時に大きさを意識するポイントは、「バッグをいつ、どのような用途で使うのか。また何があれば便利なのか。」でした。実際に持たれる方の身長を意識することは正直ありませんでした。
何が悩みなのか?
身長が低い人の悩み。
それは大きくて使いにくなどではなく、背負った時に体に対してリュックが大きく見えることで冷やかされる。ということでした。
例えば、あなたが新しく買った服でウキウキした気分で早速お出かけ。最初にあったお友達に、「その服似合ってないよ。」そんなこと言われたら?もし、こんなこと言われたらもう2度とその服を着たくなくなりませんか?
実際にこの女性も似た体験をされています。新調したリュックをお披露目したら、
「どこに旅行に行くの?」
「どこの山に登るの?」
そんなことを言われて傷つかれていました。
実際に機能的なバッグの場合その仕様からどうしても大きくなります。
そしてこのように言われた経験がある人はこの女性だけではないことがインスタのアンケートでもわかりました。
問題定義:ただ小さいだけではダメ
身長とのバランスを取るためにまずは大きさを決めないといけません。女性の方に実際に持ち歩くもやそのサイズを教えていただきました。
すごく明確だったので作業がしやすかったです。
私はなんでもバッグに入れてしますので正直今でもバッグの中に何が入っているかは把握できていません、、、。
要望1:大きさ
・A4サイズ対応で、なるべく小さいもの。もしくは小さく見えるもの。
・容量が多くてコンパクトに使えるもの。
・マチもできるだけ1cmでも2cmでも薄くしたい。
なかなか難しい課題でした。そこで「容量が多くてコンパクトなもの」を最優先として KABAG box をベースとしてデザインをすることに決めました。
要望2:内装
・2層式であること(下の部分が崩れにくい)
・マグネットを使わない。
・被せのフタがないこと。
マグネットの磁気でカードが使えなくなる。実際にそのような経験もされていたので使用は見送りました。
KABAG box の改善要望
・中央仕切りが柔らかすぎる。
・外側の生地が柔らかい。
このご意見は実際にKABAG box をご購入された方からも意見がございました。そのことを踏まえて芯材と生地を硬いものに変更しました。
理想のカタチを目指して
この時がモノづくりで一番楽しくて、悩む時間が多くなります。
2つのデザイン
1つ目は、KABAGマザーズバッグをアレンジ。フォルムをスクエアにして本体を上下に分割。下部を保冷にしました。
2つ目は、KABAGボックスをアレンジ。本体を縮小してデザインを片変更しました。
活動報告①:KABAGマザーズアレンジリュック
実際に1回目のサンプルが出来上がるまで通常2週間で出来上がるはずがまで約2ヶ月かかりました。これはコロナの影響で中国工場での打ち合わせができなかったために説明が容易ではなかったからです。そんな思考錯誤がありできがった2つのサンプルを送り実際に3週間モニターしていただきました。
最初は馴染みのない形状だったのであまり期待はされていなかったようですが、いい意味で期待を裏切ることができました。大きな理由としては、軽量でコンパクトそして小回りがきいたというとこです。実際に普段持ち歩かれているものを入れていただき使っていただきました。総評としては下部につけた保冷の収納が上に入れたものに影響されず使いやすかったようです。
活動報告②:KABAG box アレンジ
こちらのデザインは期待していただけておりました。私もサンプルが上がってきたときにはこれだ!と感じました。ただ元の形がKABAG box でこれを縮小したので内装部分は収納力が落ちてしまいました。特に内装の左右の部分に折り畳み傘とペットボトルを入れるとファスナーが破れそうになりました。その結果持ち歩きのモニター期間は短くなってしまいました。
活動報告③:内装のポケット
ポケットの中の迷子問題を解決すべく、内装のポケットの取り付け位置や縫製方法についても詳しくレポートしていただきました。背面のPC(13インチ収納可)収納部分もA4の用紙が入る※角2サイズの封筒の角が折れないように左右1.5cm広げるなど細かいサイズ調整もしました。
理想のカタチを求めて:半年をかけてようやくカタチになりました。
長い時間がかかりましたがようやく最終のカタチが出来上がりました。こんなに時間がかかると普通の会社では企画がボツになりますがKABAGシリーズを始めてからは時間がかかっても多めに見てもらえてるので安心して諦めずに走り続けることができました。
最後に
これほどまでにモノづくりに情熱を持って取り組めるのはやはりそれに共感していただける方がいるからです。ただ今回のKABAG box mini については14ページも及ぶ改善案と画像をいただきそのお気持ちにしっかりとお答えしないととの思いがとても強かったです。自分自身、一つのデザインにこれほど時間をかけて取り組むことも本当に稀です。今回の商品は「たった一人の女性のために。」デザインされていますが、きっとこの方と同じお悩みを持っている人もいるかと思います。このモニター様のアイデアで少しでも多くの方のお悩みが解決できれば幸いです。